岩手県の南西部に位置する平泉町。
平安時代末期頃に奥州藤原氏の本拠地があった場所で、源義経が慕っていた町としても有名となっています。
この平泉町では、毎年、春と秋の年2回に渡って藤原まつりが開催されています。
メインとなっているのは、春の藤原まつりで、来場者数30万人以上というとても大きなお祭りです。
今回ご案内する春の藤原まつりには、例年、有名芸能人が義経役に扮して登場し、様々な平安絵巻を繰り広げています。
2019年の日程が気になるかと思いますが、春の藤原まつりについて簡単にまとめましたので、少しだけお付き合いください^^
春の藤原まつりとは?
春の藤原まつりが開催されるようになったのは、昭和24年(1949年)からで、中尊寺や毛越寺、各町内を会場として様々な伝統芸能が行われていました。
そして、メイン行事である「源義経公東下り行列」は、昭和30年(1955年)に初めて行われたとされています。
源義経公東下り行列は、義経が、兄である頼朝から逃れた末に平泉へたどり着いた際、藤原秀衡や民衆たちが迎え入れたという約800年前に起きた出来事を再現したものです。
義経が頼朝に追われるようになったのは、寿永4年(1185年)の壇ノ浦の戦いで義経が平氏を滅ぼし、朝廷から役職をもらったことで、仲が悪くなってしまったのが原因となっています。
頼朝の追討から逃れるため、義経は青春時代を過ごした平泉に向かうのですが、たどり着いた時には、藤原秀衡からあたたかい歓迎を受けたと言われています。
源義経公東下り行列は、藤原まつりの保存会初代会長や地元の人たちの
義経の東下りの出来事をお祭りにしたい!
という思いから、行われるようになった行事です。
現在、藤原まつりで使用されている衣装などは京都の方から取り寄せていますが、当初は、地元の人たちが手作りで着物や足袋を作っていました。
また、お祭りに登場する立派な御所車も、どこかに売られていたわけではなく、元々設計図があったわけでもなかったため、一から制作していました。
御所車の研究をするために、京都で開催されているお祭りへ足を運び、大工さんたちと想像しながら制作していったのだそうです。
このように、地元の人たちの力によって作り上げられた藤原まつりは、年々大きく成長していき、今では東北を代表するお祭りになりました。
藤原まつり 2019年!義経役は誰?
毎年、義経役は有名芸能人が務めていますが、初めの頃は知事や町長が務めていました。
有名芸能人を起用するようになったのは、昭和48年(1973年)からで、主に若手の俳優さんや歌手の方が起用されています。
昨年(2018年)は俳優の磯村勇斗さんが義経役を務め、3日目に行われる「源義経公東下り行列」に登場し、会場を盛り上げてくださいました♪
2019年は、俳優の「田口涼之介」さんが義経役を務めることになりました^^
ちなみに・・
義経役以外の藤原秀衡役や金売吉次役、侍大将役などは、県知事や地元の方たちが務めています。
藤原まつり 2019年!春の日程
さて、大変お待たせいたしました!
春の藤原まつり2019の日程情報はここからです。
春の藤原まつりは、毎年5月1日~5日の5日間に渡って開催されています。
2019年は、5月1日(水)、2日(木)、3日(金・祝)、4日(土)、5日(日)となっています。
各日の日程については以下にまとめましたので、ご覧ください^^
◎注意!
以下の情報は、昨年(2018年)の情報を基に作成しています。
- 各日の日程
- 駐車場
2019年の情報が公開され次第、修正・追加いたしますので予めご了承ください。
5月1日(水)
☆藤原四衝公追善法要
[場所] 中尊寺本堂
[時間] 10:00頃~
☆稚児行列
[場所] 中尊寺本堂~金色堂
[時間] 10:30頃~
平泉町に隣接する奥州市の3~6歳くらいのお子さんたちが、華やかな平安貴族の衣装を着て中尊寺本堂~金色堂までの約300mを歩きます。
可愛らしいお子さんたちが楽しそうに歩く姿に、ほっこりすること間違いなしです♪
稚児行列では、他にも、詠歌衆や僧侶などの行列も登場します。
☆藤原四衝公報恩法要
[場所] 毛越寺本堂
☆弁慶の力餅つき
[場所] 平泉駅前広場
[時間] 11:00頃~
弁慶力餅競技保存会の方たちによる弁慶の力餅つきが平泉駅前で行われます。
つきたてのお餅は、観光客の方たちに振舞われますので、ぜひ!お立ち寄りください^^
☆郷土芸能
[場所] 各町内
各町内では、行山流舞川鹿子躍や市野々神楽、朴ノ木沢念仏剣舞など、様々な郷土芸能が行われます。
5月2日(木)
☆開山護摩供法要
[場所] 中尊寺山堂
[時間] 10:00頃~
☆源義経公追善法要
[場所] 高館義経堂
[時間] 11:00頃~
文治5年(1189年)にこの地で亡くなった義経を悼み、高館義経堂にて法要を行います。
☆郷土芸能
[場所] 各町内
5月3日(金・祝)
☆藤原秀衡出迎行列
[場所] 中尊寺坂下~寺越寺
[時間] 10:00頃~
藤原秀衡は、武者や侍女たちとともに馬や御所車に乗り、義経を出迎えるため毛越寺まで練り歩きます。
ルートは、高館義経堂(10:20)→平泉駅前(10:50)→毛越寺となっており、到着予定は11:05頃です。
※カッコ内の時間は、通過予定時間となっています。
☆義経公ねぎらいの場再現
[場所] 毛越寺大泉が池
[時間] 12:40頃
毛越寺で義経を出迎えると、2人は北の方と武蔵坊弁慶らと一緒に舟に乗り、長旅の苦労をねぎらいます。
☆源義経公東下り行列
[場所] 毛越寺~中尊寺金色堂
[時間] 13:30頃~15:20頃
いよいよ、藤原まつり最大の見どころである源義経公東下り行列が始まります!
義経と秀衡が率いる総勢91名の大行列が町内を練り歩く光景はまさに!圧巻の一言です。
引用:http://blog.goo.ne.jp/jone2310n/e/b0f2b1d326278e5338d027219cadb953
また、行列に登場する2頭の大きな牛と25頭の馬も、かなりの迫力がありますので、合わせてチェックしてみてはいかがでしょう^^
源義経公東下り行列のルートと予定通過時間は、
毛越寺(13:30)→平泉駅前(13:50)→高館義経堂(14:25)→中尊寺坂下(14:40)
で、中尊寺金色堂には15:20頃の到着となります。
中尊寺金色堂では、奉拝が執り行われることとなっています。
◎源義経公東下り行列を見るならココ!
なるべく長く行列を見たい!というのであれば「平泉駅前」がオススメです♪
平泉駅前ではロータリーを回りますので、他の場所に比べてゆっくりと観賞することができます。
そして、義経役の芸能人をじっくりと見たいという方は「中尊寺金色堂で待ち構えておく」と良いでしょう。
ここでは、義経役の芸能人がインタビューを受けるので、生の声を聞くことができちゃいます☆
5月4日(土)
☆白山神社献饌行列
[場所] 中尊寺境内
[時間] 10:00頃~
☆白山神社祭礼
[場所] 中尊寺能舞台
[時間] 12:00頃~
☆哭き(なき)まつり
[場所] 観自在王院跡阿弥陀
哭きまつりとは、奥州藤原氏第二代当主「藤原基衡」の妻のお葬式を再現した行事のことです。
観自在王院は、藤原基衡の妻が建立したとされており、哭きまつりでは毛越寺の僧侶たちがお神輿を担ぎながら阿弥陀堂の周辺を回ります。
僧侶たちは、阿弥陀堂を回る時、経文を見ながら読唱するのですが、この読唱が泣いているように聞こえることから、哭きまつりと呼ばれています。
☆中尊寺神事能
[場所] 中尊寺能舞台
☆郷土芸能
[場所] 各町内
5月5日(日)
☆弁慶力餅競技大会
[場所] 平泉駅前広場
[時間] 10:00頃~
義経に仕えていた武蔵坊弁慶といえば・・力持ち!
平泉駅前では、力自慢を競い合う弁慶力餅競技大会が行われます。
この大会は、合計総重量160㎏の餅を載せた箱を持って、どれだけ長く歩くことができるかを競い合うものです。
2019年で94回目となる弁慶力餅競技大会は、藤原まつりの人気行事の一つとなっています。
元々は、男性だけが参加できる大会だったのですが、2016年からは女性の部も設けられ、女性の場合は50㎏の餅を載せた箱を抱えながら歩く距離を競い合います。
弁慶力餅競技大会は、誰でも自由に参加することができますので、力に自信のある方は、参加してみてはいかがでしょうか♪
☆延年の舞
[場所] 毛越寺
[時間] 11:00頃~
平安時代中期頃~室町時代頃にかけて盛んに踊られていたと言われている延年の舞。
延年とは、年を延べる(長生きする)という意味が込められていて、平安時代からの形式を現代まで受け継いでいるということで、国の重要文化財に指定されています。
☆古実式三番・狂言・能
[場所] 中尊寺能舞台
藤原まつりへのアクセス
ここからは、藤原まつりへのアクセスについてお届けいたします。
まずは、中尊寺(赤)、毛越寺(青)、平泉駅前(緑)の場所を地図でご確認ください。
藤原まつりは、上記の会場の他に平泉町内一帯で行われますが、ここでは、中尊寺までのアクセスをご案内いたします。
車でお越しの場合
☆関東方面から
「浦和IC」→東北自動車道(約4時間30分)→「平泉前沢IC」→国道4号線(約10分)→「中尊寺」
☆仙台から
「仙台宮城IC」→東北自動車道(約1時間)→「平泉前沢IC」→国道4号線(約10分)→「中尊寺」
☆盛岡から
「盛岡IC」→東北自動車道(約50分)→「平泉前沢IC」→国道4号線(約10分)→「中尊寺」
☆秋田から
「秋田中央IC」→秋田自動車道(約1時間30分)→「北上JCT」→東北自動車道(約20分)→「平泉前沢IC」→国道4号線(約10分)→「中尊寺」
電車でお越しの場合
☆関東方面から
「東京駅」(JR新幹線 盛岡行・約2時間30分)→「一ノ関駅」(JR東北本線 盛岡行・約7分)→「平泉駅」(巡回バス「るんるん」乗車(有料)・約10分)→「中尊寺」
☆仙台から
「仙台駅」(JR新幹線 盛岡行・約30分)→「一ノ関駅」(JR東北本線 盛岡行・約7分)→「平泉駅」(巡回バス「るんるん」乗車(有料)・約10分)→「中尊寺」
☆盛岡から
「盛岡駅」(JR東北本線 一ノ関行・約1時間20分)→「平泉駅」(巡回バス「るんるん」乗車(有料)・約10分)→「中尊寺」
☆秋田から
「秋田駅」(JR新幹線 東京行・約1時間40分)→「盛岡駅」(JR東北本線 一ノ関行・約1時間20分)→「平泉駅」(巡回バス「るんるん」乗車(有料)・約10分)→「中尊寺」
巡回バス「るんるん」の料金は、
- 1日乗車券:大人150円、小人80円
- 1日フリー乗車券:400円
となっています。
藤原まつりの駐車場は?
藤原まつりでは、臨時の駐車場が数ヶ所設けられます。
ただ、台数に限りがあり、どの駐車場も人気となっていますので、車で行かれる際は早めの行動を心掛けるようにしましょう!
ここでは、4ヶ所の臨時駐車場をご紹介いたします。
☆中尊寺第一駐車場(赤)
- 駐車台数:151台
- 住所:岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関34-2
- 料金:400円
☆中尊寺第二駐車場(青)
- 駐車台数:322台
- 住所:岩手県西磐井郡平泉町平泉字坂下29-9
- 料金:400円
☆毛越寺駐車場(緑)
- 駐車台数:330台
- 住所:岩手県西磐井郡平泉町平泉大沢
- 料金:300円
☆柳之御所臨時駐車場(紫)
- 駐車台数:約300台
- 住所:岩手県西磐井郡平泉町平泉伽羅楽108-1
- 料金:無料
各駐車場の場所については地図でご確認ください。
アイコンの色は、駐車場名の後にあるカッコ書きの色になります。
県内のみならず、県外からも多くの方たちが訪れる春の藤原まつり・・
特に、3日の源義経公東下り行列が行われる時には、20万人近くの観客たちで賑わいます。
ということは・・?
そうです!
会場周辺は大変混雑します(汗;
さらに、3日には、源義経公東下り行列のルートとなっている毛越寺~中尊寺金色堂間で交通規制も敷かれますので、ご注意ください。
それでは最後に、藤原まつり当日が晴れることを願って、この記事を閉めたいと思います^^
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