石川県内で金沢市の次に人口が多い市とされている白山市・・
2005年2月に、松任市、美川町、鶴来町、吉野谷村、鳥越村、尾口村、河内村、白峰村が合併して誕生した市です。
そんな白山市では、毎年5月中旬になると、おかえり祭りが開催されます。
おかえり祭りは、白山市美川南町にある藤塚神社の春季例大祭として行われているお祭りです。
お祭り当日は、ラッパを吹奏する若衆や豪華絢爛な台車で、大きな賑わいを見せます^ ^
おかえり祭りの歴史
おかえり祭りの始まりは、定かではありませんが、文化文政年間(1804年〜1830年)頃と言われています。
本吉町の奉行所に残されている資料によると、文化8年(1811年)に記された文書の中に、おかえり祭りについての記述がされていたことから、この頃には既に行われていたのではないか?と考えられています。
当時の美川町は、海運業が非常に盛んであり、日本海海運で活躍した北前船が寄港する本吉港として栄えていました。
その豊かな財力により、立派な台車が造られ、藤塚神社のお神輿とともに町内を練り歩いていました。
お祭りは、当初から盛大に行われていたと言われており、戦時中に別の地域のお祭りが曳山の運行を中断している中、おかえり祭りでは台車を出していたという言い伝えもあります。
現在、白山市内には13基の台車があり 、旧美川町の
南町、北町、中町、永代町、今町、浜町、神幸町、末広町、和波町、新町(東と西で各1基ずつ)
が11基を所有していて、残りの2基は、家の建築に携わる職人で結成された「家方組」と大工職人で結成された「船職組」がそれぞれ1基ずつ所有しています。
台車は、昭和初期頃に再建されたものもあれば、江戸時代に創建されたものもあり、どの台車もとても豪華です。
そして、お神輿は、県内では珍しい八面四扉のものとなっていて、今から約30年ほど前に新調されたお神輿が担がれています。
それ以前に使われていたお神輿は、江戸時代に造られたもので、現在は御旅所に飾られています。
おかえり祭りのラッパ隊について
おかえり祭りでは、ラッパを吹奏しながら町内を練り歩くラッパ隊が登場します。
ラッパ隊は、美川青年団の若衆たちが務めており、台車や旗手、獅子たちとともにお神輿を先導する役目を担っています。
おかえり祭りに、ラッパ隊が初めて登場するようになったのは、昭和4年または6年と言われていますが、詳しいことは明らかになっておりません。
また、ラッパが取り入れられた経緯についても詳細は解っておらず、
- 景気づけのため
- 日露戦争に出兵した町民が神輿を担いだ際に吹奏したこと
といった説があります。
おかえり祭り!2019年の日程
おかえり祭りは、毎年5月の第3土曜日と日曜日の2日間に渡って行われています。
2019年は、5月18日(土)・19日(日)の開催となっています。
各日の日程については、以下をご覧ください^^
※時間は目安となっています。
◎注意!
以下の情報は、昨年(2018年)の情報を基に作成しています。
- 各日の日程
- 駐車場
- 交通規制
2019年の情報が公開され次第、修正・追加いたしますので予めご了承ください。
5月18日(土)神幸祭
☆台車・お神輿巡行
[時間] 早朝~23:00頃
[場所] 藤塚神社、美川地区
06:00過ぎ頃、藤塚神社よりお神輿が出発するのですが、その前に、美川青年団の方たちが勇壮な舞いを披露したり、ラッパ隊が勢いのあるラッパを吹奏します。
その後、お神輿はラッパ隊、13基の台車、獅子などに先導されながら美川地区内を巡行します。
神幸祭の見どころと言えば、なんと言っても「神輿の乱舞」です!
09:00頃に、JR美川駅前で旗手たちの激しい踊りやラッパの吹奏とともに行われる神輿の乱舞は、とても迫力があります。
その他にも、地区内巡行中は、美川青年団による余興や獅子の舞なども見ることができ、美川10地区を練り歩いた後は、藤塚神社から約1㎞離れた場所にある高浜御旅所へ向かいます。
お神輿一行が高浜御旅所に到着するのは22:00過ぎ頃です。
御旅所の前で旗手やお神輿の乱舞が行われた後は、お神輿の御祭神を御旅所の拝殿に移すという神事を執り行い、1日目が終了します。
1日目の台車・お神輿、獅子舞の巡行図はこちらからご確認ください。
→「台車巡行図」
→「お神輿巡行図」
→「獅子舞巡行図」
5月19日(日)還幸祭
☆台車巡行
[時間] 19:00頃~
[場所] 高浜御旅所、おかえり筋
19:00頃まで、高浜御旅所に立ち並んでいる台車とお神輿を見ることができるということで、朝から多くの参拝客の方たちが訪れます。
1基1基じっくりと見ることができるのはこの時だけですので、ぜひ!立ち寄ってみてください♪
台車が動き出すのは19:00頃で、お旅所の鳥居を出る前に1基ずつ乱舞を行います。
台車は、狭い町内でも動きやすいようにという理由で3輪になっているのですが、乱舞を行う時は前輪部分を皆で持ち上げて、声を掛け合いながら勢い良く境内を回ります。
提灯の明かりが灯った台車が曳き回される光景は、まさに!圧巻の一言です^^
そして、すべての台車による乱舞が終わると、今度はおかえり筋に向かって出発します。
おかえり筋とは、美川区10町内にそれぞれ1通りずつある通り道のことで、毎年、1町ずつ順番に務めています。
つまり、10年に1度回ってくるということです!
おかえり筋となった町では、台車とお神輿がやってきた際、関係者の方たちを座敷に上げ、おもてなしをします。
また、一般のご家庭でも、親戚や知人を集め、過去十年間の感謝とこれから先の十年間、無事に過ごすことができますようにという気持ちを込めて宴会を行います。
ちなみに・・
2019年のおかえり筋は美川中町となっています。
☆お神輿巡行
[時間] 20:00頃~
[場所] 高浜御旅所、おかえり筋
神幸祭では美川青年団の若衆がお神輿を担いでいましたが、還幸祭ではおかえり筋となった町内の若衆が担ぐことになっています。
先導するのはもちろん!美川青年団のラッパ隊と旗手です♪
ワッショイ♪ワッショイ♪と掛け声を上げながらおかえり筋を練り歩き、翌朝の末明までに藤塚神社へ戻っていきます。
2日目の台車・お神輿、獅子舞の巡行図はこちらになります^^
→「台車巡行図」
→「お神輿巡行図」
→「獅子舞巡行図」
おかえり祭りへのアクセス
ここからは、おかえり祭りのアクセスについてご案内いたします。
まずは、藤塚神社の場所を地図でご確認ください。
車でお越しの場合
☆東京方面から
「調布IC」→中央自動車道(約19分)→「八王子JCT」→圏央道(約31分)→「鶴ヶ島JCT」→関越自動車道(約31分)→「藤岡JCT」→上信越自動車道(約2時間30分)→「上越JCT」→北陸自動車道(約2時間)→「美川IC」→県道25号線経由(約5分)→「藤塚神社」
☆関西方面から
「門真IC」→近畿自動車道(約10分)→「吹田IC」→名神高速道路(約1時間20分)→「米原JCT」→北陸自動車道(約1時間50分)→「美川IC」→県道25号線経由(約5分)→「藤塚神社」
電車でお越しの場合
☆東京方面から
「東京駅」(JR新幹線 金沢行・約2時間30分)→「金沢駅」(JR北陸本線 福井行・約20分)→「美川駅」(徒歩約5分)→「藤塚神社」
☆関西方面から
「新大阪駅」(JR特急サンダーバード 金沢行・約2時間20分)→「小松駅」(JR北陸本線 金沢行・約10分)→「美川駅」(徒歩約5分)→「藤塚神社」
おかえり祭りの駐車場は?
おかえり祭りでは、会場周辺に無料の臨時駐車場が数ヶ所設けられます。
駐車台数は合わせて約500台ほどで、どの駐車場も大変人気となっています。
そのため、すぐに満車となってしますので、車で行かれる際は早めの行動を心掛けるようにしましょう^^
☆美川臨海公園(赤)
- 住所:石川県白山市美川永代町甲
- 藤塚神社までの距離:約700m(徒歩約9分)
☆白山市立美川図書館(青)
- 住所:石川県白山市美川浜町ヨ103
- 藤塚神社までの距離:約1.1km(徒歩約14分)
☆美川体育館(緑)
- 住所:石川県白山市美川中町イ126
- 藤塚神社までの距離:約1.1km(徒歩約14分)
☆白山市立美川中学校付近(紫)
- 住所:石川県白山市美川浜町夕5
- 藤塚神社までの距離:約950m(徒歩約12分)
駐車場の場所については地図でご確認ください。
アイコンの色は、駐車場名の後にあるカッコ書きの色になります。
有料駐車場もあります!
無料臨時駐車場に停めることができなかった場合は、有料駐車場に停める必要があります。
ここでは、美川駅に近い有料駐車場をご紹介いたします。
☆美川駅日本海広場駐車場(赤)
- 駐車台数:30台
- 住所:石川県白山市美川中町口221-6
- 料金:1回200円
- 藤塚神社までの距離:約650m(徒歩約8分)
☆美川駅白山広場駐車場(青)
- 駐車台数:26台
- 住所:石川県白山市美川中町口221
- 料金:1回200円
- 藤塚神社までの距離:約550m(徒歩約7分)
おかえり祭り 交通規制情報!
お祭り期間中は、会場周辺に交通規制が敷かれます。
規制される場所は、大正通り、本町通り、神幸町・浜町周辺で、両日とも終日車両通行止めとなります。
さらに、1日目(神幸祭)は、中町通り(美川大橋詰~文化会館)が07:00~11:00まで車両通行止めとなるのでご注意ください。
交通規制については地図で確認したい!という方は、こちらに2018年の交通規制図を置いておきますので、参考にされてください^^
→「おかえり祭り2018年の交通規制図」
※2019年の情報が発表されましたら、リンク先を差し替えいたします。
約300年以上に渡って美川の町に受け継がれ続けてきたおかえり祭りには、他のお祭りにはない独特な風習があります♪
通常、お祭りと言えばハッピ姿をイメージするかと思いますが、このお祭りでは全員、紋付の袴を着用して参加することが決まりとなっています。
これは、安政4年(1857年)、京都仁和寺の御室御所より「菊花紋章が入った神輿の日覆」を下賜されたことに敬意を表すため、着用するようになりました。
その他にも、町の子どもたちを台車に乗せたり、赤い被り物や白い狩衣(かりぎぬ)を付けた「あかにんに」と呼ばれる女の子たちが太鼓を叩いたりします。
他所では見ることができない、おかえり祭りならではの風習です^^
おかえりの響きは浜風に舞いひて~美川おかえり祭り/ダイドードリンコ日本の祭り
おかえり祭り 5月第3土日/藤塚神社社務所
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