日本各地には、平安時代に学者・政治家として活躍した菅原道真が祀られている天満宮や天神社が約1万2000社あります。
それぞれの場所では、毎年2月下旬になると梅花祭というお祭りが開催されています。
中でも盛大に行われているのが、京都市の馬喰町にある北野天満宮の梅花祭です。
北野天満宮は、菅原道真を祀る天満宮・天神社の総本社ということで、梅花祭もとても有名です。
約900年も前から続いているこのお祭りには、例年15万人以上が訪れており、大勢の方たちで賑わっています♪
梅花祭とは?
梅花祭は、幼い頃から梅好きだった菅原道真の遺徳をしのび開催されているお祭りです。
菅原道真は、昌泰4年(901年)に太宰府への左遷を命じられた際、
「東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」
という歌を、自宅に植えられていた梅の木の前で詠みました。
もう少し解りやすくすると、
「春の風が吹いたら、梅の香りを風に乗せて太宰府まで運んでくれ。主人(あるじ)がこの場所からいなくなったとしても、春を忘れてはいけないぞ。」
といったところでしょうか。
改めて歌を詠んでみると、菅原道真は梅を心から愛していたのだということが解ります^ ^
このことから、各天満宮や天神社にはたくさんの梅の木が植えられ、菅原道真の命日である2月25日に梅花祭が行われるようになったのです。
ただ、梅花祭の始まりについての詳細は、残念ながら明らかになってはおりません。
が・・
古い記録の中に「鳥羽天皇天仁2年(1109年)2月25日に梅花祭が行われた」という記述がされています。
梅花祭での行事は、主に献茶や野外でお茶をたてる野点、舞の奉納などです。
北野天満宮の梅花祭では、
- 玄米を蒸して作った「大飯」と「小飯」
- 仙花紙を筒状にして小さなかわらけを敷いたものに玄米と梅の小枝を挿し立てた「紙立」
という神饌をそれぞれ2台に分けて御神前へお供えします。
紙立に使われる梅の枝は、男女の厄年にちなみ白梅42本・紅梅33本ずつとなっており、厄除祈願として捧げます。
紙立に使われた玄米は、炊いて食べると無病息災や厄除けになると言われていることから、厄除玄米と呼ばれ、神事終了後に授与所にていただくことが可能です。
北野天満宮の梅花祭!2019年の開催情報
さて、ここからは北野天満宮で行われる梅花祭2019の開催情報についてご紹介いたします^ ^
また、梅花祭の見どころもお届けしていますので、合わせてご覧ください♪
基本情報
◎開催日時
2019年2月25日(月)10:00~
◎会場
北野天満宮(京都府京都市上京区馬喰町)
◎アクセス
[JR京都駅から]
京都市営バス(B2乗り場 50系統「北野天満宮・立命館大学前行」乗車・約30分)→「北野天満宮前」バス停下車(徒歩すぐ)→「北野天満宮」
[JR地下鉄二条駅から]
京都市営バス(55系統「立命館大学前行」乗車・約10分)→「北野天満宮前」バス停下車(徒歩すぐ)→「北野天満宮」
[JR円町駅から]
京都市営バス(203系統「北野天満宮・出町柳駅・銀閣寺行」乗車・約5分)→「北野天満宮前」バス停下車(徒歩すぐ)→「北野天満宮」
[地下鉄今出川駅から]
京都市営バス(51系統「北野天満宮・立命館大学前行」乗車・約10分)→「北野天満宮前」バス停下車(徒歩すぐ)→「北野天満宮」
◎駐車場 なし
梅花祭当日、北野天満宮駐車場は利用できませんので、ご注意ください。
会場周辺には有料駐車場が数ヶ所ありますが、駐車台数も少なく道路も混雑しますから、できる限り公共交通機関の利用をオススメいたします。
◎公式サイト
「北野天満宮」
◎お問い合わせ
Tel:075-461-0005(北野天満宮)
日程について
☆梅花祭神事
[時間] 10:00~11:00
本殿にて、神職の方たちによる神事が粛々と執り行われます。
始めに白梅の小枝を御神前へ捧げ、その後、大飯や小飯、組立などの神饌をお供えしていきます。
ちなみに、現在、神事では梅の小枝をお供えしていますが、陰暦の頃は菜の花(菜種)を神饌に挿してお供えしていました。
これは、御祭神を「宥める(なだめる)」と音が通じることから利用されたと言われており、当初は「菜種御供」と呼ばれていました。
明治以降になると、
- 新暦になったことで季節的に菜の花の利用が難しくなった
- 菅原道真が梅の花を愛していたこと
といった理由から、菜の花から梅の小枝に変わり「梅花御供」と言われるようになりましたが、名残で、今もなお神事を行う神職たちの冠には「菜の花」が付けられています。
☆野点大茶湯
[時間] 10:00~15:00
三光門前広場では、上七軒の芸妓さん15人、女将さん15人による「野点大茶湯」が賑やかに開かれます♪
※上七軒=京都市上京区真盛町から社家長屋町にある花街
野点大茶湯は、天正15年(1587年)に豊臣秀吉が北野天満宮境内で行ったのが始まりとされており、菅原道真公没後1050年に行われた大萬燈祭をきっかけに、昭和27年(1952年)より梅花祭で開かれるようになりました。
梅の香りが漂う境内で美しい芸妓さんたちがお茶をもてなす野点は大変人気で、毎年、たくさんの参拝者で盛り上がります^^
野点では、お茶を楽しむだけではなく、芸妓さんと会話ができたり写真撮影ができたりしますので、この機会に参加してみてはいかがでしょうか♪
ただし、梅花祭の野点に参加するためには、事前に拝服券というチケットを購入しておく必要があります。
この拝服券は、先着順で無くなり次第終了となりますから、お求めの方は早めにゲットするようにしてください。
詳細については、以下をどうぞ^^
☆拝服券(チケット)の詳細
◎販売開始日
1月25日(金)~
◎販売場所
北野天満宮の社務所
◎料金
2,000円(拝服券+宝物拝観券+厄除玄米引換券込み)
◎販売数
先着3,000名分
その他、梅花祭では、宮内庁京都事務所所長による天皇陛下の御代拝や屋台の出店が行われたりします♪
北野天満宮の梅花祭 見どころはココ!
野点大茶湯や授与所で授与される厄除玄米を目当てに足を運ぶのも良いのですが、大人(中学生以上)600円・子ども300円で入場できる梅苑も、忘れずに訪れておきたいところです。
北野天満宮の梅苑は例年2月上旬頃に公開され、3月下旬頃まで梅の観賞を楽しむことができます。
この場所には、約50種1,500本もの梅の木が植えられており、
- 青緑色をした「月の桂」
- 菅原道真が愛した梅と同じ種類とされる「紅和魂梅」
- 幹や枝が黒いことからその名が付いた「黒梅」
など、色とりどりの珍しい品種の花が散策路に広がっているため、飽きてしまうことがありません。
さらに、入場券には美味しい梅茶とお菓子も付いているので、可憐な梅を見ながらのんびりと過ごすことができるのも嬉しいポイントです^^
梅の見頃はその年の天候などによって前後しますが、例年2月下旬頃~3月中旬頃ですから、時期的にもピッタリです♪
年々来場者が増えている北野天満宮の梅花祭・・・
お祭り当日、北野天満宮の境内や屋台が出る参道は大混雑します!
特に、大人気の野点大茶湯は早い時間から大行列ができ、午前中はなんと!1時間~2時間待ちになるほどです。
もし、午前中の内に参加したい!というのであれば09:00過ぎ頃には到着していないと難しいかな?と思います。
大行列だけはなるべく避けたい・・と思っている方は、14:00頃に三光門前広場へ向かうようにすると、そこまで待つことなく野点大茶湯に参加できます♪
2月25日「京都、北野天満宮 梅花祭」です。/季節のお便り
梅花祭・梅苑公開/ローム株式会社
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