北海道札幌市で、毎年6月中旬に開催されているお祭り・・
そ、れ、は
北海道神宮祭です^ ^
北海道神宮祭は、その名の通り北海道神宮の例祭として行われているお祭りのことです。
通称「札幌まつり」とも呼ばれており、札幌市に初夏の訪れを知らせてくれるお祭りということで、たくさんの人たちに愛されています。
さて、2019年も北海道神宮祭が盛大に開催されます!
約140年に渡って受け継がれ続けている伝統行事は、見逃すことができません^ ^
北海道神宮祭の歴史
北海道神宮祭は、明治初期頃の北海道開拓時代に、
神様をこの町にお迎えしたい!
という市民たちの声によって、行われるようになったお祭りです。
明治2年(1869年)、まだ円山の地に北海道神宮が創建されていない頃・・
当時、蝦夷地(えぞち)と呼ばれていた北海道地方を、政府が「北海道」という名前に改め、北海道の開拓や行政を任せる「開拓使」という機関を設けました。
そして、開拓使の官吏らを現地へ赴任させる前に、東京都宝田町(皇居外苑)にて、北海道鎮座神祭を開催しました。
北海道鎮座神祭は、北海道の平安や五穀豊穣を願って行われたものです。
また、これから遠く知らない土地へ行き、開拓を行う人たちのために、
- 大国魂神(おおくにたまのかみ)
- 少彦名神(すくなひこのかみ)
- 大那牟遅神(おおなむちのかみ)
という開拓三神を守護神として祀った神祭になっており、これが北海道神宮の創祀(そうし)とされています。
※創祀=その場所で、最初に神様を祀ること
その後、明治3年(1870年)5月、北海道石狩国の創成川湖畔に北海道神宮の仮社殿が創建されました。
詳しい場所については明らかになっておらず、現在の「札幌市北区北6条東1丁目」または「札幌市北区北5条東1丁目」に点在していたという2つの説があります。
現在の場所(円山)に北海道神宮の社殿が創建されたのは、明治4年(1871年)のことです。
当初の社名は、北海道神宮ではなく「札幌神社」という名前だったのですが、昭和39年(1964年)、開拓三神に加え、近代日本の礎を築いた明治天皇の御霊代を祀った際、社名が北海道神宮に変更されました。
北海道神宮祭は、初めの頃、9月1日を例祭日としていましたが、明治5年(1872年)に、毎年6月15日を例祭日とすることが決まり、今日に至っています。
この時、開拓使の長官を務めていた「黒田清隆」が「例祭当日は皆業務を休みにして、参拝するように」と、全道民に命じました。
現在でも、例祭当日は、市内の学校が半日だけ休業になったり、建設関係業界が休業したりしています。
神輿渡御と山車の起源
北海道神宮祭の見どころの一つである神輿渡御は、明治11年(1878年)から行われるようになりました。
その当時、市街地から北海道神宮までは約4kmほど離れており、雪の多い冬の時期などは参拝へ行くことが難しいとされていました。
そこで、容易に参拝ができるようにと、札幌市の中心部にある「二条市場」の近くに遥拝所(ようはいじょ)を設けたのです。
※遙拝所=遠く離れた場所から神仏等をはるかに拝むための場所
この遥拝所が完成したことを記念して、その年に開催された北海道神宮祭にて、お神輿の御神幸を執り行ったことが神輿渡御の起源となっています。
はじめは、1基の神輿が市内を練り歩いていたのですが、明治32年(1899年)頃に3基となり、昭和39年(1964年)には、明治天皇が祀られたことで4基のお神輿が登場するように変わっていきました。
神輿渡御は、戦時中に2回(昭和19年・20年)中止した以外は毎年行われており、2019年で139回目の開催となります。
そうそう!
北海道神宮祭では、山車も曳き出されていますが、この山車も神輿渡御が初めて行われた際に登場していました。
山車は、芸妓さんや常磐津連中の方たちが、2台の車(山車)に乗って歌やダンスを披露したことが起源と言われていて、現在は9基の山車が市内を巡行しています。
ちなみに、北海道神宮祭は、市内31祭典区によって構成されている北海道神宮敬神講社が運営しており、毎年、年番制で選ばれた「年番祭典区」が神輿渡御や山車巡行など、北海道神宮祭全体を取り仕切っています。
北海道神宮祭!2019年の日程
北海道神宮祭は、例祭日である6月15日前後の14日~16日の3日間に渡って開催されています。
2019年は、6月14日(金)・15日(土)・16日(日)となっています。
各日の日程を以下にまとめましたので、ご覧ください^^
6月14日(金)宵宮祭
☆野点
[時間] 10:00~16:00
[場所] 西回廊控殿前
西回廊控殿前では、美しい着物に身を包んだ表千家同門会礼幌支部の人たちによる野点(のだて)が行われます。
野点とはお茶会のことで、ここでは美味しいお茶やお菓子をいただくことができます♪
☆フラダンス
[時間] 11:00~12:00
[場所] 土俵舞台
☆ひょっとこ踊り
[時間] 11:40~12:10
[場所] 神前舞台
☆櫻川流江戸芸かっぽれ
[時間] 12:20~12:50
[場所] 神前舞台
江戸芸かっぽれとは、江戸時代に大道芸として踊られていたもので、櫻川流江戸芸かっぽれは、奴さんや深川、伊勢音頭にかっぽれといった踊りの総称です。
リズムはゆっくりの時もあれば早い時もあり、情緒豊かでありながらもアップテンポな曲となっているのが特徴となっています。
櫻川千代助社中の人たちによる賑やかな「かっぽれ踊り」をどうぞお見逃しなく^^
☆吟詠
[時間] 13:00~14:30
[場所] 神前舞台
☆クリスタルボウル演奏
[時間] 13:00~13:30
[場所] 土俵舞台
☆相撲甚句
[時間] 14:00~14:30
[場所] 土俵舞台
☆三条神楽
[時間] 15:00~16:00
[場所] 神前舞台
三条神楽は、約200年以上前から新潟県三条市に伝わっている伝統芸能です。
なぜ?三条神楽が北海道神宮祭で行われているのか?というと・・
明治24年(1891年)頃に、北海道神宮6代目宮司の「白野夏雲(しらのかうん)」が当時の札幌神社に神楽を奉納することを提唱したのがきっかけとされています。
三条神楽は、北海道神宮舞楽会の人たちが奉納することになっています♪
☆太鼓演奏
[時間] 16:00~16:30
[場所] 土俵舞台
☆神賑尺八献笛
[時間] 16:10~16:40
[場所] 神前舞台
☆浦安の舞
[時間] 16:40~17:00
[場所] 神門内向拝下
浦安の舞は、昭和15年(1940年)に作られた神楽となっており、巫女さんたちが華麗な舞いを披露します。
☆獅子舞・太鼓演奏
[時間] 17:00~17:40
[場所] 土俵舞台
☆よさこいソーラン
[時間] 19:10~19:25
[場所] 神門下
☆太鼓演奏
[時間] 19:25~20:25
[場所] 神前舞台
☆ジャズコンサート
[時間] 19:30~20:00
[場所] 土俵舞台
札幌・ジュニアジャズスクールの皆さんによるジャズコンサートが行われます。
☆ジャズコンサート
[時間] 20:00~21:00
[場所] 土俵舞台
グルーヴィン・ハード・ジャズオーケストラの人たちによるジャズコンサートが行われます。
6月15日(土)例祭
☆野点
[時間] 10:00~16:00
[場所] 西回廊控殿前
☆古式大的式
[時間] 11:00~12:00
[場所] 弓場
☆能楽
[時間] 11:20~12:50
[場所] 神前舞台
「能」と「狂言」を合わせた日本の伝統芸能である「能楽」を奉納します。
☆空手演武
[時間] 13:00~14:00
[場所] 土俵舞台
☆古式道演武
[時間] 13:00~14:40
[場所] 神前舞台
☆ヒーロー和芸ショー
[時間] 14:30~15:30
[場所] 土俵舞台
☆三条神楽
[時間] 14:50~16:50
[場所] 神前舞台
☆神宮の森コンサート
[時間] 17:00~17:30
[場所] 土俵舞台
☆雅楽
[時間] 17:00~18:00
[場所] 神前舞台
☆福井ばやし
[時間] 18:00~18:30
[場所] 神門内向拝下
札幌福井ばやし保存会による福井ばやしが奉納されます。
福井ばやしは、北海道開拓のために、福井県から来た人たちによって伝わったもので、福井県の郷土芸能である明神ばやしから引き継がれたものとされています。
☆フォークうたごえまつり
[時間] 18:00~20:00
[場所] 土俵舞台
☆人形浄瑠璃
[時間] 18:30~19:00
[場所] 神前舞台
☆チェンバロ演奏
[時間] 19:15~20:00
[場所] 神前舞台
6月16日(日)渡御
☆神輿渡御
[時間] 09:30頃~
[場所] 北海道神宮、市内一帯
朝から盛大に行われる神輿渡御♪
北海道神宮祭では、お神輿のことを御鳳輦(ごほうれん)と呼んでおり、神輿渡御の前に、祭神を本殿から御鳳輦へ移す発輦祭(はつれんさい)という神事を執り行います。
その後、4基の御鳳輦は、太鼓や笛などのお囃子を演奏する楽士隊(維新勤王隊)に先導されながら頓宮(仮宮)までの約7kmの道のりを練り歩きます。
神輿渡御は、御鳳輦や楽士隊だけでなく、氏子や神職など総勢約1,000人の大行列も一緒に練り歩くため、迫力満点です!
御鳳輦が頓宮に到着すると「駐輦祭(ちゅうれんさい)」という神事が行われます。
駐輦祭とは、玉ぐし奉納や祝詞の奏上、巫女さんたちによる神楽の奉納などを行う神事のことです。
頓宮にて駐輦祭が終わった後は、観客たちが御鳳輦の神様にお参りすることができる時間が設けられます。
神様が自分たちの住む場所に来てくれるというのは、年に1度だけです。
この神輿渡御は、市民にとって大変貴重なものであり、多くの人たちが参拝されます。
参拝終了後、御鳳輦は市内を練り歩きながら、北海道神宮へと戻っていきます。
あ!神輿渡御のルートは、その年の年番祭典区を中心に決定されるため、毎年、少し異なっているんです!
2018年は、第六西創成祭典区が年番祭典区を務め、以下のルートで神輿渡御が行われていました。
- 09:30:御発輦
- 09:40:北4条近辺
- 11:00:札幌駅前通り付近
- 11:50:頓宮(仮宮)にて駐輦祭
- 13:00:札幌東武ホテル前出発
- 13:55:中島公園付近
- 14:20:三越前にて駐輦祭
- 15:40:三越前出発
- 17:00:北海道神宮に帰着後、御還輦
神輿渡御のルートを地図で確認したい!という方は、こちらに2018年の神輿渡御ルート図を置いておきますので、参考にされてください^^
→「北海道神宮祭2018年 神輿渡御のルート」
※2019年の情報が公開され次第、リンク先を差し替えいたします。
☆山車行列
[時間] 午前中~
[場所] 各地区、市内一帯
北海道神宮祭で忘れてはいけないのが、9基の山車です♪
山車は午前中に各地区を周り、その後、中心市街地で合流してから目抜き通りなど、市内を練り歩くことになっています。
山車には、それぞれ舞台が付いており、華麗な舞いやお囃子など披露しながら巡行するというのが特徴となっています。
また、提灯や花の飾りなど様々な飾り付けがされていて、どの山車も豪華なものばかりです☆
特に注目していただきたいものと言えば、山車の上に飾られている山車人形です。
山車人形は各山車によって異なっており、日本武尊、神武天皇、素盞嗚尊、桃太郎といったものがあります。
中でも、第三山鼻祭典区の山車に乗っている「島義勇(しまよしたけ)」の人形は、とても珍しい人形になります。
島義勇とは、札幌市の都市開発に大きく貢献し、北海道開拓の父と呼ばれている人物です。
北海道に深い関りを持つ人物が人形になっているというのは、まさに!北海道神宮祭ならではだと思います^^
北海道神宮祭の出店は?
北海道神宮祭は、神宮内の神事や神輿渡御、山車行列などお楽しみが盛りだくさんの例祭となっていますが、もう一つ!お楽しみがあります♪
それは・・
中島公園に登場する出店です!
中島公園内にはなんと!約450もの出店が軒を連ねており、お子さんから大人の方まで楽しむことができるエリアということで、大勢の人たちで賑わっています。
北海道神宮祭の出店は、規模がとても大きいので、地元の人たちの間では「中島公園のお祭り」と呼ばれています。
出店の営業時間は、
- 中島公園:10:00~22:00頃まで
- 北海道神宮:09:00~21:00頃まで
となっていますので、お時間のある方は立ち寄ってみてはいかがでしょうか^^
※最終日は、18:00頃にお店を閉めるところもあります。
北海道神宮祭へのアクセス
ここからは、北海道神宮祭へのアクセスについてお届けいたします。
まずは、北海道神宮の場所を地図でご確認ください。
例祭は、北海道神宮以外にも市内一帯で行われますが、ここでは北海道神宮までのアクセスをご案内いたします。
☆車でお越しの場合
[道央自動車道「新川IC」から]
新琴似通、手稲左股通、山の手通、北1条宮の沢通経由(約20分)→「北海道神宮」
[札樽自動車道「札幌西IC」から]
北1条宮の沢通経由(約15分)→「北海道神宮」
☆電車でお越しの場合
[JR「札幌駅」から]
徒歩約5分→地下鉄「さっぽろ駅」(札幌市営南北線 真駒内行・約1分)→「大通駅」(札幌市営東西線 宮の沢行・約5分)→「円山公園駅」(杜甫約15分)→「北海道神宮」
☆バスでお越しの場合
地下鉄「円山公園駅」(JRバス(西14・西15)乗車)→「神宮前停留所」下車(徒歩約1分)→「北海道神宮」
北海道神宮祭の駐車場は?
北海道神宮には、2ヶ所の駐車場があり、その周辺にも有料の駐車場がいくつかあります。
が・・
例祭期間中は、どの駐車場も大変混雑します(汗;
ですから、もし、車で会場まで行こうと思っているのであれば、早めの行動を心掛けるようにしましょう^^
ここでは、2ヶ所の北海道神宮駐車場に加え、周辺の有料駐車場を5つご紹介いたします。
☆北海道神宮東駐車場(赤)
- 駐車台数:70台
- 住所:北海道札幌市中央区宮ヶ丘474-35
- 利用可能時間:08:00~21:00
- 料金:最初の1時間は無料(祈祷された場合は2時間無料)
以降1時間500円
☆北海道神宮西駐車場(青)
- 駐車台数:170台
- 住所:北海道札幌市中央区宮ヶ丘474
- 利用可能時間:08:00~21:00
- 料金:最初の1時間は無料(祈祷された場合は2時間無料)
以降1時間500円
☆円山公園第一駐車場(緑)
- 駐車台数:683台
- 住所:北海道札幌市中央区円山西町1
- 利用可能時間:09:00~17:30(11月~1月末は16:30まで)
- 料金:普通車 1日700円
中型車 1日1,000円
大型車 1日1,200円
二輪車 1日100円
☆円山公園第二駐車場(紫)
- 駐車台数:276台
- 住所:北海道札幌市中央区宮ヶ丘3-1
- 利用可能時間:09:00~17:30(11月~1月末は16:30まで)
- 料金:普通車 1日700円
中型車 1日1,000円
大型車 1日1,200円
二輪車 1日100円
☆タイムズ南2西24駐車場(茶)
- 駐車台数:24台
- 住所:北海道札幌市中央区南2条西24-131
- 営業時間:24時間
- 料金:08:00~22:00 30分200円
22:00~08:00 60分100円
最大料金 入庫後24時間1,200円
☆タイムズ北1西20駐車場(オレンジ)
- 駐車台数:29台
- 住所:北海道札幌市中央区北1条西20-3
- 営業時間:24時間
- 料金:08:00~18:00 20分100円
18:00~08:00 60分100円
最大料金 1日当日1,000円
☆リパーク札幌北3西28第1駐車場(黒)
- 駐車台数:32台
- 住所:北海道札幌市中央区北三条西28-1-16
- 営業時間:24時間
- 料金:08:00~20:00 20分100円
20:00~08:00 60分100円
駐車場の場所は以下の地図でご確認ください。
アイコンの色は、駐車場名の後にあるカッコ書きの色になります。
北海道神宮祭 交通規制情報
例年、会場周辺には交通規制が敷かれています。
規制日は、最終日の6月16日となっており、神輿渡御が行われるルートが車両通行止めとなります。
規制時間は場所によって異なりますが、09:30頃~17:00頃まで行われますので、ご注意ください。
また、交通規制が行われていなくても、周辺道路は大変混雑していますので、なるべく車では近づかないようにしましょう。
最後に、北海道神宮祭の魅力を一つご紹介いたします。
その魅力とは、日本各地の文化に触れることができるところです♪
北海道神宮祭では、
- 京都府の維新勤王隊
- 福井県の明神ばやしから伝承された福井ばやし
- 新潟県の三条神楽
などなど、様々な郷土芸能が披露されますが、これらは、北海道開拓時代に伝わったものになります。
この例祭は、日本各地の伝統文化が融合された祭礼文化ということができます。
そんな北海道神宮祭に足を運んでみてはいかがでしょうか^^
北都に祭礼の華が咲く~北海道神宮例祭~/ダイドードリンコ日本の祭り
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