長野県辰野町の松尾峡にある「ほたる童謡公園」
日本一のホタルの名所として全国的に知られている公園です。
この場所では、毎年6月上旬頃〜下旬頃までの期間で、たくさんのゲンジボタルを見ることができます。
さて、ほたる童謡公園では、ゲンジボタルの発生時期に合わせて「辰野ほたる祭り」が開催されます。
お祭り期間中には、最も多い時で、1日1万匹以上のゲンジボタルが乱舞することもあるんです♪
他では中々見ることができない光景ということで、例年、6万人以上の観客たちが訪れています^^
辰野町のホタルについて
今では、辰野町の松尾峡で、たくさんのホタルを見ることできていますが、ここまでの道のりには、町の人たちの絶え間ない努力がありました。
元々、辰野はゲンジボタルの発生に適していた土地とされていて、明治初期頃まで、天竜川周辺(岡谷市〜荒神山にかけて)はホタルの名所として知られていました。
岡谷市の川岸駅近くにあった鮎沢橋が、観蛍橋(かんけいばし)という名前に変更されるほど、多くのホタルが発生していたのだそうです。
ところが、明治末期頃になると、川は工場廃水によって汚染されてしまい、ホタルたちは、天竜川周辺から下流の上平出(かみひらいで)周辺へ移動してきます。
しかし、上平出に移動してきたホタルを捕まえようとする人たちが現れ、どんどんと減少していきました。
さらに、この頃、辰野町には鉄道が開通するようになり、遠方から、商売目的で捕まえに来る人もいました。
そんなことがあり、大正初期頃には、その姿はほとんど見ることができなくなりました。
そんな中・・
このままでは、ホタルが絶滅してしまう!
と思い、ホタルの保護活動を開始した人物がいます。
その人物とは、小口珍彦さんという方です。
小口さんは、大正7年(1918年)に朝日尋常高等小学校(現在は東小学校)へ赴任してきた先生で、
- 「蛍の話」という本を作成して配る
- ホタル捕りをやめてもらうように生徒を通じて各家にお願いする
などを行い、ホタルの保護を呼びかけました。
それだけでなく、地元の小学校や青年会とも協力し合い、ホタルの保護活動を拡大させていきました。
結果、たくさんのホタルが発生するようになり、大正14年(1925年)には、県の天然記念物に指定されることとなったのです。
その後、昭和23年(1948年)に、ほたる祭りが行われるようになり、翌年には「ほたる小唄」や「辰野音頭」が誕生し、お祭りは大きな盛り上がりを見せました。
が・・
この頃は、まだ戦後間もなかったということもあり、ホタルの数は非常に少ない状況にありました。
また、昭和35年(1960年)には、松尾峡周辺が、辰野のホタルの発生地として県の天然記念物に再指定されたものの、この頃には家庭排水や農薬などが増え、ホタルの数はさらに減少していきます。
そこで町は、地元の学校や企業と協力し合い、
- キレイな水を加える工事を行う
- 滋賀県の守山から購入した約4000匹のホタルの成虫を育て、幼虫を放流する
- ホタルの住むことができる小川を作る
など、様々な活動を行いました。
そして、昭和48年(1973年)に、全国初のほたる専用の人口水路が設置されました。
水路が設置されてからは、ホタルの幼虫やその餌となるカワニナの増殖が開始されるようになり、昭和50年(1975年)頃には、たくさんのホタルを見ることができるようになりました。
※カワニナ=カワニナ科に分類される巻貝の一種
昭和末期頃には、松尾峡にほたる童謡公園が完成し、いたるところでホタルを守るための活動が続けられています。
辰野ほたる祭り!2019年の日程
2019年の辰野ほたる祭りは、6月15日(土)~23日(日)に開催されます。
ほたる童謡公園への入場には、ホタル保護育成協力金として1人500円(中学生以下は無料)が必要となります。
お祭り祭り開催中は、ほたる童謡公園でホタルの観賞を楽しむことができるだけでなく、辰野駅や周辺町内で様々なイベントも行われ、大盛り上がりです^^
以下に主なイベントの日程をまとめましたので、ご覧ください♪
6月15日(土)
☆辰野南小太鼓
[時間] 16:30~16:50
[場所] 辰野駅横 特設ステージ
☆鼓笛隊パレード
[時間] 17:15~17:45
[場所] 4丁目駐車場前~辰野駅前
平出交差点~辰野駅前
辰野西小学校、両小野小学校、辰野東小学校の生徒さんたちによる鼓笛隊パレードが行われます。
賑やかなパレードは、多くの観客たちを魅了します♪
☆ぴっかりパレード
[時間] 17:15~17:45
[場所] 4丁目駐車場前~辰野駅前
☆辰野中吹奏楽部パレード
[時間] 17:45~18:30
[場所] 伊那富橋~辰野駅前
☆ゆるキャラ大集合
[時間] 17:45~19:15
[場所] 辰野駅前
辰野町のイメージキャラクターの「ぴっかりちゃん」や長野県観光PRキャラクターの「アルクマ」など、県内から約10体のゆるキャラたちが集結します。
☆竹あかり
[時間] 18:00~22:00
[場所] 下辰野柳町通り
竹あかりは、竹を利用して制作した照明アートのことです。
この竹あかりは、町の地域おこし協力隊の方たちが中心となって制作したもので、お祭り期間中に、柳町通り沿いに約80個の竹あかりを並べます。
温もりのある光が作り出す幻想的な世界は、感動すること間違いなしです☆
☆開幕式・開幕宣言
[時間] 18:30~19:00
[場所] 辰野駅横 特設ステージ
☆屋台村
[場所] 下辰野1丁目駐車場
辰野のほたる祭りでは、約120軒もの屋台が登場します!
下辰野1丁目駐車場では、
- 商工会青年部:焼き鳥、焼きそば、生ビール、ソフトドリンクなど
- 商工会女性部:みたらし団子、ぴっかりちゃんグッズなど
が、販売されます。
その他、辰野駅前にもたくさんの屋台が立ち並びますので、美味しいものを食べながらホタルの観賞をお楽しみください♪
6月16日(日)
☆ライブパフォーマンス
[時間] 15:30頃~
[場所] 辰野駅横 特設ステージ
青年会や吹奏楽団、地元の高校に大学など10チーム以上の団体が、ダンスや吹奏楽の演奏を披露します。
☆屋台村
[場所] 下辰野1丁目駐車場
☆竹あかり
[時間] 18:00~21:00
[場所] 下辰野柳町通り
6月22日(土)
☆辰野の地酒と塩尻ワインを楽しむ会
[時間] 16:00~(受付開始は15:00~)
[場所] 辰野パークホテル
☆たつのピッカリ踊り
[時間] 17:30~18:45
[場所] 本町2丁目~本町3丁目
メインイベントである「たつのピッカリ踊り」では、
- ほたる小唄
- はひふへホタル
- 龍の大地に集う者
という地元で愛され続けている曲に合わせて、約1,200人もの人たちが踊りを披露します。
約1時間に渡って行われる「たつのピッカリ踊り」は、毎年、大きな盛り上がりを見せています^^
☆屋台村
[場所] 下辰野1丁目駐車場
☆竹あかり
[時間] 18:00~22:00
[場所] 下辰野柳町通り
6月23日(日)
☆辰野町吹奏楽団による演奏
[時間] 17:00~18:00
[場所] 辰野駅横 特設ステージ
☆屋台村
[場所] 下辰野1丁目駐車場
☆竹あかり
[時間] 18:00~22:00
[場所] 下辰野柳町通り
その他にも、協賛行事としてアコースティックライブやおもてなしライブなども行われます^^
詳しいイベント情報を確認したい方は、こちらからどうぞ!
→「辰野のほたる祭り!イベント情報」
辰野ほたる祭りへのアクセス
ここからは、辰野ほたる祭りへのアクセスについてお届けいたします。
まずは、ホタルの観覧場所となっている「ほたる童謡公園」の場所を地図でご確認ください。
お祭りは辰野駅周辺などでも行われていますが、ここでは、ほたる童謡公園までのアクセスをご案内いたします。
車でお越しの場合
☆東京方面から
「調布IC」→中央自動車道(約2時間20分)→「伊北IC」→県道203号線、19号線経由(約15分)→「ほたる童謡公園」
☆関西方面から
「一宮IC」→名神高速道路(約5分)→「小牧IC」→東名高速道路(約5分)→「小牧JCT」→中央自動車道(約2時間)→「伊北IC」→県道203号線、19号線経由(約15分)→「ほたる童謡公園」
☆新潟方面から
「新潟西IC」→北陸自動車道(約1時間20分)→「上越JCT」→上信越自動車道(約1時間10分)→「更埴JCT」→長野自動車道(約45分)→「塩尻IC」→国道153号線、県道14号線経由(約30分)→「ほたる童謡公園」
電車でお越しの場合
☆東京方面から
「新宿駅」(JR特急 松本行・約2時間30分)→「岡谷駅」(JR中央本線 飯田行・約10分)→「辰野駅」(徒歩約15分)→「ほたる童謡公園」
☆関西方面から
「名古屋駅」(JR特急 長野行・約1時間50分)→「塩尻駅」(JR中央本線 辰野行・約20分)→「辰野駅」(徒歩約15分)→「ほたる童謡公園」
☆新潟方面から
「新潟駅」(JR新幹線 東京行・約1時間20分)→「高崎駅」(JR新幹線 長野行・約50分)→「長野駅」(JR特急 名古屋行・約1時間)→「塩尻駅」(JR中央本線 辰野行・約20分)→「辰野駅」(徒歩約15分)→「ほたる童謡公園」
辰野ほたる祭り 臨時列車情報
辰野ほたる祭り期間中は、特別に「辰野ほたる祭り号」という臨時列車が運行されます。
運行区間は「松本駅~辰野駅」間で、運行日は土日のみとなっていますのでご注意ください。
2019年は、6月15日(土)16日(日)22日(土)23日(日)の4日間運行されます。
こちらに臨時列車の時刻表を置いておきますので、参考にされてください^^
→「辰野ほたる祭り2019年 臨時列車の時刻表」
辰野ほたる祭りの駐車場は?
辰野ほたる祭りでは、会場周辺に約3,200台ほどの駐車場が設けられます。
駐車場は、無料・有料駐車場があり、それぞれお祭り期間中であれば利用できますが、一部、土日のみとなっています。
※各駐車場は23:00に閉鎖します。
また、予備駐車場も用意されるのですが、こちらは無料と有料駐車場が満車の時のみ解放(土日)となりますのでご了承ください。
ここでは、7ヶ所の無料駐車場と4ヶ所の有料駐車場をご紹介いたします。
無料駐車場
☆辰野目立駐車場(赤)
- 駐車台数:20台
- 住所:長野県上伊那郡辰野町辰野1550
- ほたる童謡公園までの距離:約1.9km(徒歩約23分)
☆辰野町役場周辺駐車場(青)
- 駐車台数:300台
- 住所:長野県上伊那郡辰野町中央1
- ほたる童謡公園までの距離:約2.3km(徒歩約28分)
☆IHI回転機械体育館周辺駐車場(緑)
- 駐車台数:260台
- 住所:長野県上伊那郡辰野町中央24
- 利用可能日:土日の4日間のみ
- ほたる童謡公園までの距離:約2.3km(徒歩約28分)
☆IHI回転機械第一工場下駐車場(紫)
- 駐車台数:200台
- 住所:長野県上伊那郡辰野町伊那富975
- 利用可能日:土日のみ
- ほたる童謡公園までの距離:約2.4km(徒歩約30分)
☆JA辰野支所駐車場(オレンジ)
- 駐車台数:50台
- 住所:長野県上伊那郡辰野町伊那富2808
- ほたる童謡公園までの距離:約2.4km(徒歩約30分)
☆ぬくもりの里駐車場(茶)
- 駐車台数:140台
- 住所:長野県上伊那郡辰野町伊那富2681-1
- ほたる童謡公園までの距離:約2.4km(徒歩約30分)
☆ときめきの街駐車場(黒)
- 駐車台数:380台
- 住所:長野県上伊那郡辰野町中央606-1
- ほたる童謡公園までの距離:約2.1km(徒歩約25分)
無料駐車場の場所については、以下の地図でご確認ください。
アイコンの色は、駐車場名の後にあるカッコ書きの色になります。
有料駐車場
☆ほたる童謡公園内 特別駐車場(赤)
- 駐車台数:250台
- 住所:長野県上伊那郡辰野町上平出
- 料金:普通車→1,000円
大型バス→3,000円
自動二輪→500円
☆辰野病院駐車場(緑)
- 駐車台数:140台
- 住所:長野県上伊那郡辰野町大字辰野1445-5
- 料金:普通車→500円
大型バス→2,000円
自動二輪→500円 - ほたる童謡公園までの距離:約1.7km(徒歩約21分)
☆丸山球場駐車場(紫)
- 駐車台数:300台
- 住所:長野県上伊那郡辰野町辰野
- 利用可能日:土日のみ
- 料金:普通車→500円
大型バス→2,000円
自動二輪→500円 - ほたる童謡公園までの距離:約1.6km(徒歩約20分)
☆ほたるの里健診センター駐車場(オレンジ)
- 駐車台数:40台
- 住所:長野県上伊那郡辰野町辰野1477-6
- 利用可能日:土日のみ
- 料金:普通車→500円
大型バス→2,000円
自動二輪→500円 - ほたる童謡公園までの距離:約1.8km(徒歩約22分)
有料駐車場の場所はこちらになります。
辰野ほたる祭り 交通規制情報
お祭り期間中は、会場周辺道路に交通規制が敷かれます。
2019年は、以下の日時と場所が歩行者天国となります。
☆規制日時
6月15日(土)22日(土)17:00~22:00
6月16日(日)23日(日)17:00~21:00
☆規制場所
伊那富橋・~平出交差点~ホタルの名所(松尾峡)
歩行者天国が解除された後の道路は、大変込み合いますので、警察や交通安全係の方の指示に従って通行するようにしましょう。
交通規制については地図で確認したい!という方は、こちらに2018年の交通規制図を置いておきますので、参考にされてください^^
このパンフレットでは、予備駐車場の場所もご確認いただけますよ♪
→「辰野ほたる祭り2019年の交通規制図」
ホタルの発生状況は?
せっかくホタルを見に行くのであれば、やっぱりたくさん発生している時に行きたいですよね^^
ホタルの発生は、天候状況によって大きく左右され、1日2,000匹の時もあれば10,000匹の時もあるといったように、その日によって大きな差があります。
ホタルにとって最も良い天候は、風がなくて蒸し暑い曇りの日で、最も多く発生する時間帯は、20:00頃~21:00頃です。
また、雨が降っている場合は、発生するものの舞うことはありませんが、雨上がりの夜は多く発生すると言われています。
ホタルの発生状況については、ほたる童謡公園のライブカメラが辰野町行政サイトで公開されていますので、チェックしてみてはいかがでしょうか♪
→「ほたる童謡公園 ライブカメラ」
最後に・・
ホタルを観賞するうえで、必ず守っていただきたいことについてをお伝えいたします。
それは・・
- ホタルを捕獲しないこと
- 懐中電灯等、ホタルに強い光を当てないこと
- 撮影時、フラッシュ発光をしないこと
ということです。
すでにご存知の方も多いかと思いますが、ホタルは条例で捕獲してはいけないことになっていますので、捕まえることはしないでください。
それと、ホタルは強い光にとても弱い生き物ですから、懐中電灯などは足元だけ照らすようにして、撮影する際は、必ずカメラのフラッシュ機能をオフにしましょう。
そしてもう一つ!
これは、個人的な意見となりますが、虫よけスプレーを使用することは控えた方がいいかな?と思います。
ホタルも「虫」なので、虫よけスプレーをしてしまうと、近寄ってこなくなってしまいます。
もし、虫刺されはどうしても・・・というのであれば、長そで・長ズボンを着用するなどして対策するようにしましょう。
ホタル保護の歴史/辰野町観光サイト
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