甘くて美味しいさつまいも♪
カルシウムやビタミンC、食物繊維など身体に良い栄養素が豊富に含まれている野菜です^ ^
その栄養価の高さから、風邪予防や便秘解消、ダイエットなど様々な効果が期待でき、数ある野菜の中でも特に人気となっています。
ところで、料理をしようと思ってさつまいもを取り出してみたら、カビが生えていた!という経験をしたことはありませんか?
さつまいもは、どちらかといえば保存がきく野菜なのですが、保存状態が悪いとすぐにカビが発生してしまいます。
カビが発生したさつまいもは、変色し見た目が悪くなっているので、すぐに捨てました!という方が多いのではないでしょうか。
でも・・
さつまいもにカビが発生しても食べられるの?
とか
変色はしてるんだけど、これってカビなのかなぁ?!
といったような疑問をお持ちの方も、中にはいらっしゃることでしょう。
そんなあなたのために、カビの発生したさつまいもに関する情報をまとめてみました。
まずは、なぜ?さつまいもにカビが発生するのか?その原因から見ていきましょう^^
さつまいもにカビが発生する原因
さつまいものカビには黒色、緑色、茶色、白色(綿状のもの)、青色など様々な種類があるのですが、先にも少し触れたとおり、保存状態が悪いことでこれらのカビが発生してしまいます。
さつまいもは、15℃前後が最も保存に適した温度とされており、湿気と寒さにはとても弱い野菜です。
なので、0℃~10℃(野菜室は5℃~7℃)内で設定されている冷蔵庫で保存してしまうと、繊維が破壊されていき傷みやすくなるので、カビが発生する確率が上がります。
もし、今までさつまいもを冷蔵庫に入れて保存していたのであれば、すぐに取り出して常温で保存するようにしましょう。
また、家の外など寒暖差のある場所もさつまいもにとっては危険となっています。
温度の変化が激しい場所に置いておくと傷むスピードが早まり、傷んだ部分からカビが発生しやすくなるため、注意が必要です。
でも、それだけではありません。
さつまいもは水にも大変弱く、水気が付いた状態での保存はカビを発生させる原因となります。
基本的に、さつまいもは土が付いていたとしても、洗わずにそのまま保存するのが良いとされていますが、泥汚れが付いて濡れていたりした時など、一度水で洗わなければいけない場合もあるかと思います。
その際にしっかりと乾かさずに保存することで、さつまいもが水気を吸収し、徐々に腐り始めたりカビが発生したりしてしまうのです。
さらに、さつまいもは人間と同じように呼吸をしており、ビニール袋など密閉された場所に長期間保存すると水滴が発生します。
この水滴によってカビが発生する場合もあるため、さつまいもは正しい方法で保存することが重要となります。
カビ以外でさつまいもが変色する原因
さつまいもはカビが原因で変色するだけでなく、さつまいもに含まれる成分の影響で変色することもあります。
その場合はもちろん!食べることができるわけですが、成分による変色も黒色や緑色に変わるため、カビだと勘違いをして捨ててしまうということも少なくありません。
以下に、カビ以外でさつまいもが変色する原因を色別にまとめましたので、どうぞ^^
黒色の場合
カビ以外でさつまいもが黒く変色する原因には、大きく分けて3通りあります。
まず1つ目は、ヤラピンという成分によるものです。
ヤラピンは、さつまいものみに含まれる特殊成分で、主成分は脂肪酸の一種であるヤラピノール酸となっています。
腸の働きを促進させ便通を良くするという効果があり、ヤラピンが多く含まれているさつまいもは甘い証拠と言われています。
よく、生のさつまいもを包丁で切った時や先端部分などから白い液体が出てくる場合があるのですが、ご覧になったことはありませんか?
この白い液体がヤラピンで、空気に触れて酸化することにより黒くなっていきます。
一番カビだと勘違いしやすいのは、さつまいもの皮に傷が付いたりして、その部分からヤラピンが出てきた時です。
時間が経つと黒い塊になるので、カビのように見えるかもしれませんが、傷の部分を保護するために出てきたものなので、ご安心ください^^
2つ目は、さつまいもからアクが出た場合です。
これは、他の野菜にも関わることですが、特に!さつまいもはアクが強いので、切ってからそのまま放置しておくと、すぐに黒く変色してしまいます。
アクと言えば、中には有毒のものもありますが、さつまいもの場合は無毒ですし、味に大きく影響するわけではなので、必ずしもアク抜きをしなければいけないということはありません。
ただ、見た目が悪くなったり、調味料が染み込みづらくなったりしますので、できることなら行っておきたい工程となります。
◎さつまいもをアク抜きする方法
①さつまいもの皮を少し厚めに剥き、お好みの大きさに切ります。
②切ったものから順番に、ボウルに張った水へさらしていきます。
③途中、水が濁ってきたら差し替えを行い、2~3回ほど繰り返しながら10~15分浸けておきます。
そして、3つ目は低温障害が原因で変色する場合になります。
低温障害は、冷蔵庫など温度の低い場所に保存することによって起こる現象で、さつまいもの断面が黒色もしくは茶色にくすんだり、斑点状のものが表れたりするのが特徴です。
※さつまいもを切った後に黒い斑点が現れた場合は、アクになります。
大体10℃を下回ると引き起こされると言われていて、冬の時期は常温で保存したとしても起きてしまう場合があるため、ご注意ください。
低温障害で変色したさつまいもは、食べても身体に悪い影響を与えるということはないので問題はありませんが、味がかなり落ちているので、食べるのはあまりオススメいたしません。
緑色の場合
さつまいもには、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸という成分が含まれており、調理の過程で別の成分に反応することで、緑色に変わる場合があるんです!
クロロゲン酸は、牛乳、卵白、重曹などのアルカリ性食品と一緒に調理を行うとアンモニアを発生させます。
クロロゲン酸とアンモニアは、酸素に触れることによって有機化合物の「キノン」と呼ばれる物質を作り出すのですが、このキノンがさつまいもを緑色に変化させる原因となっています。
中でも、
- 重曹入り(衣をサクッとさせるため)の天ぷら
- 卵や牛乳を使用する蒸しパン
を作る際にさつまいもを利用し、出来上がった時に緑色に変わっていたというのは、よくあることです。
このように、調理中に起きる変色はさつまいもの成分によるものなので、そのまま食べていただいて大丈夫です。
が・・
長期間放置していたり冷蔵庫で保存していて緑色になったのであれば、カビや食中毒菌が入り込んだ可能性が高いため、気を付けなければいけません。
青黒い場合
生のさつまいもが青黒くなっていた場合はカビが考えられますが、調理中に青黒く変色していくのは、カビではありません!
その原因は、ズバリ!タンニン鉄によるものです!
タンニン鉄は、クロロゲン酸と鉄が反応することで出来る物質で、さつまいもを鉄の鍋で煮たり、蒸かしたものを金属製のうらごし器でこしたりすると表れることがあります。
見た目は少し悪くなってしまいますが、味や身体に影響はないので、気にせずいただいてしまいましょう♪
カビが発生したさつまいもは食べられるの?
さつまいもにカビが発生してしまった場合、食べられるのかどうか?が一番気になるところではないでしょうか。
基本的に、さつまいもはカビの発生した部分だけを取り除けば、問題なく食べることができます。
というのも、さつまいもは身がギュッと詰まっているため、中身までカビが進行することは滅多にありません。
なので、表面にカビが生える程度という場合が多く、大半は皮を剥くことで対処できます^^
たとえ中身まで進行していたとしても、カビが発生した部分とその周辺を少し余分に切り落としてしまえば、カビ臭さを抑制でき、普段通り食べることが可能となります。
ただし、表面のカビが繁殖したりして、
- 中身が柔らかい
- 酸っぱい匂いがする
- べたべたしている
といった状態になっている場合は、腐っているので絶対に食べないでください。
そしてもう一つ!
毒性が強いと言われている黒カビが発生していた場合も、要注意です!
さつまいもの身が柔らかく、切った瞬間から色が黒ければ、黒カビの可能性が非常に高いです。
この場合は、たとえ一部分だけだったとしても食べるのは控えるようにしましょう。
おまけ!
さて・・
ここまで読み進めていただいたのであれば、さつまいものカビを防ぐためには、良い保存状態を保つことがポイントであるということがお解りいただけたかと思います。
良い保存状態を保つというのは、カビの発生を防ぐことに加え、保存期間を延ばすことができるといったメリットもあるんです♪
スーパーなどで販売されているさつまいもは、一度水洗いされているので、常温で保存したとしても約2週間ほどしか持たないと言われています。
ところが、正しい保存を心掛けることでなんと!約3週間~1ヵ月間持つようになります。
※土付きのものであれば、約3ヵ月~半年持ちます。
これからその方法をご紹介いたしますので、さつまいもの保存が正しくできているか不安・・という方は参考にしてみてはいかがでしょうか^^
☆さつまいもの保存方法
- さつまいもを1本ずつ新聞紙で包みます。
畑から収穫してきたものは、土付きのまま3日間天日干しさせてから、洗わずに新聞紙で包みましょう。
保存する前に乾燥させることで、さつまいもに含まれているデンプンが糖に変わるため、甘みがアップします♪ - 段ボールに新聞紙または毛布を敷いてさつまいもを入れ、その上に新聞紙を被せます。
ビニール袋や発泡スチロールではなく、通気性の良い段ボールやかごに入れるとカビが発生しにくくなります。 - 10℃~15℃で風通しの良い場所(冷暗所)で保存しておきます。
傷がたくさん付いていたり小さいサイズのさつまいもは、傷みやすくなっているので、早めに食べるようにしましょう。
予め、傷の付いたものとそうでないものを分けてから保存するというのも良いかもしれません^^
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