12月になると、楽しい楽しいクリスマスがやってきます♪
いつもなら簡単に済ませてしまう食事も、この日ばかりは・・と、少し豪華になるご家庭も多いかと思います。
クリスマスの食べ物といえば、ケーキやローストビーフ、ピザなどが挙げられますが、特に人気なのは、なんと言ってもチキンです!
チキンには様々な種類があり、クリスマスの定番とされているのは、ローストチキンとフライドチキンになります。
ところで!
クリスマスにチキンを食べる理由をご存知でしょうか?
言われてみれば、どうして日本ではクリスマスにチキンを食べるんだろう?
海外のクリスマスでは、七面鳥を食べる風習があるみたいだけど・・・
このように、クリスマスにチキンを食べるということに関して疑問をお持ちなのであれば、どうぞこの先にお進みください^ ^
なぜクリスマスにチキンを食べるの?
今では、日本のクリスマスの代表的な食べ物となっているチキンですが、元々は海外と同じように、クリスマスになると七面鳥を食べていました。
クリスマスに七面鳥を食べるという文化が、アメリカから日本に伝わってきたのは、明治時代前期頃とされています。
◎海外のクリスマスで七面鳥を食べるようになった由来
海外のクリスマスで七面鳥を食べるようになった由来には、いくつかの諸説が存在します。
その中の一つに「17世紀初期頃(1620年頃)のアメリカ開拓時代、イギリスからアメリカに移住してきた人たちに、アメリカ人が七面鳥を贈った」という説があります。
当時、イギリスからアメリカに渡ってきた開拓民たちは、移住先で食べるものがなく、大変厳しい生活を送っていました。
そのため、寒い冬を乗り越えることができず、最初の冬で半数以上の人たちが亡くなってしまったのだそうです。
これに見かねたアメリカの先住民(インディアン)たちは、開拓民たちに七面鳥やトウモロコシ、カボチャなどの食料を贈ったり、作物の育て方や狩猟の方法を教えたりしました。
こうして生き延びることができた開拓民たちは、初めて自分たちで育てた作物を収穫した際に、先住民たちを招いて「収穫祭」を行いました。
収穫祭では、様々な作物に加え、七面鳥も出されていたと言われています。
以降、七面鳥はクリスマスを始めとするお祝い行事に欠かすことのできない「縁起物」となり、この風習がヨーロッパにも伝わると、そこから世界に広がり定着していきました。
この出来事から、クリスマスに七面鳥を食べる風習は、宗教的な理由ではないということがお解りいただけたかと思います。
1913年(大正2年)に発行された「佳節儀式料理(赤堀峰吉著)」という本には「クリスマスの料理」として、七面鳥のローストが紹介されたりしていましたが、七面鳥を食べていたのはごく一部の人たちだけでした。
なぜ?日本ではクリスマスに七面鳥を食べることが定着しなかったのか?というと、
- 日本で七面鳥を飼育しているところが少なく、手に入りづらい
- 約10㎏近くある大きな七面鳥を焼けるオーブンがない
- 調理の時間と手間がかかる
- 七面鳥の値段が高い
など様々な理由があり、一般家庭で七面鳥を調理することは難しいと言われていたからです。
そこで!
日本でも手に入りやすく、調理も手軽にできるチキンが七面鳥の代わりに使われるようになったというわけです。
クリスマスにチキンが代用されるようになった時期は定かではありませんが、1950年(昭和25年)頃にはすでに食べられていたと言われています。
1953年(昭和28年)に発行された「実用家庭百科(一年中の行事料理)」には、戦後からクリスマス行事が盛んになったという内容とともに、ローストチキンのレシピが記されていました。
ただ、当時はまだ、チキンがクリスマスの定番料理と言われるまでにはなっていませんでした。
というのも、1963年(昭和38年)に、駒澤大学青少年問題研究室が一般の方に向けて調査をした際「クリスマスの日に家族で行うことは?」の質問に対し、約6割がケーキを食べると答え、七面鳥もしくはチキンを食べると答えたのは、1割未満だったのです。
また、1965年(昭和40年)に読売新聞が発行したクリスマスの食べ物に関する記事の中で「お酒・ケーキ・ローストチキン」が三種の神器として紹介されていたのですが、それほど浸透してはいなかったようです。
じゃあ~いつ頃からどんな風に定着していったの~?!
と思いましたか?
それは・・
チキンがクリスマス料理として定着した理由
チキンがクリスマス料理として定着した理由には、ファーストフード店の「ケンタッキー」が深く関係しています。
もしかしたら、すでにご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか^^
ケンタッキーは、1970年(昭和45年)にアメリカから常陸し、愛知県名古屋市に1号店目を構えました。
それまでの日本には、骨付きの鶏を手で持って食べるといった食べ方になじみがなく、フライドチキンという言葉も日常生活の中にはなかったため、当初はあまり受け入れられてはいませんでした。
とはいえ、高度経済成長期であったこの時代、欧米からの文化を取り入れる動きも活発でしたので、すぐにケンタッキーにも注目が集まるようになります。
1971年(昭和46年)7月、東京都青山にお店がオープンすると、オシャレな食べ物として若者の間で流行し、瞬く間に人気店となっていきました。
そんな中・・
お店近くの幼稚園から「フライドチキンを買ってクリスマスパーティをしたいので、サンタクロースの姿をして会いに来てほしい」という依頼を受けました。
ケンタッキーの従業員が、サンタクロースの姿に扮して園児たちに会いに行ったところ、大盛り上がり♪
この出来事をヒントに、営業担当者が「クリスマスにケンタッキーのチキンを定着させよう」と考え、1974年(昭和49年)12月1日に、全店舗でクリスマスキャンペーンを開始します。
これにより、クリスマスにはフライドチキンを食べるという独特の風習が根付き、次第にチキン全般(ローストチキン等)がクリスマス料理として定番化していきました。
おまけ☆世界のクリスマス料理!
さて、日本ではチキン、アメリカやイギリスでは七面鳥を食べることから、クリスマスには鶏肉!というイメージが付いていますが・・
国によっては、鶏肉料理以外のものを食べるところもたくさんあります!
こちらに、各国のクリスマス料理をまとめましたので、ご覧ください^^
ドイツ
ドイツでは、シュトレンという菓子パンがクリスマス料理の定番となっています。
シュトレンは、生地の中にナッツやドライフルーツが練り込まれていて、表面に粉砂糖がまぶしてあります。
見た目はゴツゴツとしていますが、サクサクとしていて、パウンドケーキのような食感に近いです。
シュトレンは、ドイツ以外にもオランダなどでも食べられています。
スウェーデン
スウェーデンを始め、北ヨーロッパの方ではユールシンカと呼ばれる豚肉料理を食べています。
「ユール」はクリスマス、「シンカ」は豚のお尻という意味を持っており、塊のまま茹でた豚のもも肉に、粒マスタードやパン粉をまぶしてオーブンで焼き上げた料理になります。
塊のまま豪快に調理したものを食べるというのは、欧米ならではです♪
スウェーデンでは、他にも魚が美味しいということで、サーモンやニシンなどを使った料理もあります。
フランス
古くから野生動物を食すという文化のあるフランスでは、クリスマスの日にウサギの肉を食べます!
ウサギはフランス語でラパンと言い、栗の実と一緒にオーブンで焼く「ラパンのグリル」が伝統料理となっています。
日本ではあまり食べられていないウサギですが、フランスでは食用として飼育されることが多く、お祭り行事には欠かすことのできない食べ物の一つです。
このように、世界各国では様々な料理がクリスマスに食べられています。
日本ではチキンが主流となってはいますが、絶対にチキンでなければいけないという決まりはありません。
その国独特の料理が出されているように、各ご家庭ごとにそれぞれのクリスマス料理があってもいいのかな?と個人的には思います^^
「Q&A」よくあるご質問/日本KFCホールディングス
続・日本人はなぜクリスマスにチキンを食べるのか?/Quon Net
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