クリスマスになると、街のあちこちに飾り(オーナメント)が付けられた美しいツリーが現れます♪
ツリーはクリスマスの定番アイテムの一つですから「家では毎年ツリーを出して、飾り付けをしています!」という方も多いかと思います。
そんなあなたに質問です!
クリスマスツリーの意味や由来をご存知でしょうか?
この時期に当たり前のように登場するツリーには、深〜い意味があります。
それだけではありません。
星やベルなどツリーに付ける「飾り」にも、それぞれ意味が存在しています。
え〜!どんな意味があるの〜?
もし、そう思ったのであれば、この先へどうぞ^ ^
クリスマスツリーの意味
クリスマスのツリーには、常緑針葉樹(じょうりょくしんようじゅ)であるモミの木が主に使用されています。
常緑針葉樹は、針状の細長い葉の形をしているのが特徴で、一年中葉を付けている木のことを言います。
寒い冬でも葉を落とすことがなく、緑を保ち続けるため、古くから「生命力の象徴」とされていました。
また、モミの木の学名は、永遠の命という意味を持つ「アビエス(Abies)」と名づけられており、イエス・キリストによる永遠の命や神様からの永遠の愛を表しています。
これらのことから、クリスマスツリーにモミの木が使われるようになり「永遠に枯れることのない命の木」という意味を持つようになりました。
ただ・・
クリスマスツリーが飾られるようになった由来に、キリストは直接的に関係してはいません。
では、どのようなことがあってクリスマスにツリーが飾られるようになったのか?というと・・・
クリスマスツリーの由来
クリスマスツリーが、最初に飾られるようになったのはドイツと言われていますが、その由来には、様々な説があります。
ここでは、3つの説をご紹介させていただきます♪
モミの木に宿る小人
かつて、ドイツでは「モミの木には、村に幸せを運んできてくれる小人が宿っている」という信仰がありました。
そのため、村人たちは、守り神である小人にいつまでも木に留まっていてほしいという思いから、モミの木に花や食べ物、ロウソクを飾り、その周りで歌や踊りを披露するお祭りを行っていました。
これがきっかけとなり、クリスマスツリーが飾られるようになったと考えられています。
ちなみに、サンタクロースはこの小人から来ているとも言われています^^
アダムとイブの物語
突然ですが、アダムとイブの物語はご存知でしょうか?
最初の人類とされるアダムとイブが、神様との約束を破りエデンの園に生えていた「知恵の樹」に実っていた禁断の果実を食べ、追放されてしまうという神話です。
旧約聖書「創世記」の中で最も有名なお話なので、聞いたことがある!という方も多いのではないでしょうか。
もし、何だっけ?と思ったのであれば、こちらに詳しく記載されていますのでご覧ください^^
→「アダムとイブの物語について」
アダムとイブの物語は、キリスト教の歴史を語るうえで重要とされていたということもあり、中世期頃、ドイツのクリスマスでは教会の前でアダムとイブの劇が行われていました。
劇を行う際は、演出として道具が必要になるわけで、神話に登場する禁断の果実には「赤いリンゴ」が、知恵の樹にはクリスマスの時期でも緑の葉を付けている「モミの木」が代用されました。
盛大に行われていたアダムとイブの劇は、きっと当時のクリスマスに花を添えていたことでしょう。
その後、劇で使われたモミの木にキリストを表す命のパンが吊るされ、クリスマスツリーとして飾られるようになったというのが、2つ目の説になります。
モミの木の奇跡
8世紀頃(701年~800年)のドイツには、ドルイド教団員と呼ばれるケルト族がおり、そのほとんどがオークというカシの木が生えている森に住んでいました。
- カシの木を使って家や道を作る
- 枯れ枝を使って火を起こす
- カシの実を採って食べたり、動物のエサにする
このように、ケルト族たちにとって、カシの木は日常生活において欠かすことのできないものとなっていたため、この地域では、カシの木を「聖なるもの」として崇拝(すうはい)していたのです。
そして、ヘッセン州付近にあった1本の大きなカシの木を「雷神(ユピテル)のオーク」と呼び、幼児や動物を木に吊るして生贄に捧げるという儀式を行っていました。
この残酷な行為を見たキリスト教伝道師のボニファティウスは、大きなショックを受け、一刻も早く儀式を辞めさせるために雷神のオークを切り倒します。
神木が切り倒されたことで神の怒りを買ってしまったと怯える民族たちを前に、ボニファティウスがキリスト教の教えを説いていたところ、なんと!神木の切り株からモミの若木が生えてきました。
ボニファティウスは「このモミの木こそが、キリストによる奇跡の木である」と唱え、そこからドイツの人たちはモミの木をキリスト教のシンボルとして崇拝し、クリスマスに飾るようになりました。
この不思議な言い伝えは、伝説として今もなお語り継がれています。
その他にも、クリスマスツリーの由来には、
- 北米の人たちが、抗酸化作用を持つモミの木を家の中に入れて家族を守った
- 1419年、ドイツのフライブルクにてパン職人が救貧院(貧困者を収容する施設)でツリーを飾った
などなど様々な説がありますが、詳しいことは現在も解ってはいないようです。
ツリーに飾りが付けられるようになったのはいつ?
クリスマスツリーに飾りが付けられるようになった由来も、諸説ありますが、16世紀頃にドイツの科学者「マルティン・ルター」が始めたと言われています。
1510年、マルティン・ルターは、クリスマスイブの礼拝を終えて帰宅している途中に、森の中でモミの木の枝から光り輝く無数の星を見つけました。
その美しさに感動し、同じ景色を子どもたちの前で再現しようと思ったマルティン・ルターは、子ども部屋に持ち込んだモミの木の枝に、火を灯した小さなロウソクをたくさん取り付けました。
それ以来、クリスマスツリーに飾りを付けることが一般化され、段々と色々な種類の飾りが付けられるようになったと言い伝えられています。
しばらくの間、クリスマスツリーはドイツだけの習慣となっていましたが、18世紀頃にドイツから移民した人たちによってアメリカに伝わっていきました。
19世紀頃になると、イギリスのヴィクトリア女王の夫「アルバート公(ドイツ出身)」が宮殿でツリーを飾ったことで広がっていきました。
日本に伝わったのは1860年のことで、プロイセン王国(ドイツ)の外交官「オイレンブルク」が日本に訪れた時、滞在先の施設でツリーを設置したのが始まりと言われています。
クリスマスツリーの飾りにはどんな意味があるの?
さて、ここからはクリスマスツリーに付ける飾りの意味についてお届けいたします。
飾り1つ1つの意味を知ることで、クリスマスツリーの飾り付けがより楽しくなること間違いなしです^^
星(トップスター)
クリスマスツリーの一番上に付いている星は「ベツレヘムの星」と言い、キリストが生まれた時に光り輝いた星を表現しています。
キリストが生まれた時に、強く輝いた星を見た東方の賢者は「救いの主が現れた」ということを悟り、星の光に導かれるかのようにキリストの生誕地「ベツレヘム(現在のパレスチナ)」へと向かいました。
このような逸話から、賢者をキリストの元へ導いた「希望の星」として、クリスマスツリーの頂点に飾られるようになりました。
余談ですが・・
クリスマスツリーの一番上には星を付けるのが一般的ですが、イギリスなど一部の国では神様の使いとされるクリスマスエンジェルという天使が飾られています。
キャンディケイン
キャンディケインとは、杖の形をした紅白色のキャンディのことです。
その始まりは、
- 15世紀初期頃にフランスの僧侶が作った
- 20世紀頃初期頃にアメリカのお菓子製造会社が、キリストを表すようなお菓子を作りたいと考えた
といった説があり、当初は杖の形をしておらず、キリストの清き心を表現するため真っ白いキャンディが作られていました。
杖の形になった経緯については、はっきりとしたことが解っていないのが現状ですが、ドイツの聖歌隊隊長が羊飼いの杖のキャンディを子供たちに与えたという説が多く語られています。
羊飼いの杖の理由は、聖書によれば羊飼いはキリスト、羊は人に例えられており、杖は羊を導くために必要なものだったのだそうです。
後に付けられた4本の赤いストライプのうち、3本はキリストが十字架に吊るされる前に鞭打ちされた時の傷、1本は十字架に吊るされた時に流した血を意味しています。
その他にも、杖を逆さにするとキリストの別名「Jesus(ジーザス)」の頭文字である「J」になることや、羊飼いが杖の曲がった部分で迷った羊を引っ掛けて連れ戻したことから、助け合いの心を表しているなど、キャンディケインには様々な意味が込められています。
ベル
ベルには、
- 救世主であるキリストの誕生を知らせるもの
- 邪気を取り払う魔除け
- ベルを首に付けた羊(人)たちが迷わず神様の元へ帰ることができるように
(迷ってもベルの音ですぐに見つけ出すことができる)
などの意味があり、ベルの音は「喜びの音色」とされています。
オーナメントボール
金属光沢のあるメッキやガラスで作られたオーナメントボールは、アダムとイブの物語に登場する禁断の果実を再現したリンゴを表しています。
すでにピン!ときている方もいるかと思いますが、永遠の象徴や豊かな実り、生きる喜びをもたらす実といった意味が込められています。
そうそう!
オーナメントボールは、主に赤色が使われていますが、白や緑、金色などもあり、色によっても意味が異なっているんです!
各色のオーナメントボールの意味は、以下の通りです。
- 赤色:神様による愛、キリストが十字架で流した血
- 白色:雪の色、純潔、平和、始まり
- 金・銀色:キリストの気高さ、豊さ
靴下
サンタクロースが貧しい家の子どもたちを助けるため、窓から金貨を投げた時に、偶然暖炉近くにあった靴下に入ったというお話が由来となり、靴下がツリーに付けられるようになりました。
そんな理由から、暖炉のあるお家では、煙突から入ってきたサンタクロースがすぐにプレゼントを入れることができるように、大きめの靴下を暖炉付近に飾ったりしています。
リボン
ツリーをより一層華やかに彩ってくれるリボンは、愛を象徴しています♪
「お互いが愛を持って永遠に結ばれますように」ということや永遠の絆を意味しています。
キャンドル(ロウソク)
世を照らす光という意味を持つキャンドル!
当初は、キャンドルの火が原因で火事になることがありましたが、明治初期頃にエジソンが電球を発明し電飾が付けられるようになったことで、解消されました。
さらに、2010年頃からは少ない電力で長時間使用できるLEDライトが使われるようになり、時代とともに変化していきました。
ヒイラギ
トゲが特徴のヒイラギは、キリストが十字架に吊るされた時に頭に被ったとされる「いばらの冠」を象徴しています。
ヒイラギの緑は永遠の命、赤い実は太陽の炎やキリストが流した血を意味しており、葉のトゲには魔除けの力があるため、リースに付けて玄関に飾ったりする場合が多くなっています。
松ぼっくり
「松かさ」とも呼ばれる松ぼっくりには、家族との強い絆という意味があります。
元々は、モミの実がツリーに付けられていたのですが、入手が困難であることから、代用として松ぼっくりが使われるようになりました。
◎モミの実が付けられていたのはなぜ?
キリストが、まだ聖母マリアのお腹の中にいた頃・・
いずれ救世主となるキリストが誕生するということをお告げによって知ったユダヤ王は、キリストの命を狙うため探し始めます。
これを知ったマリアと婚約者のヨセフは、ユダヤ王に見つからないように逃亡することを決めます。
そして、途中にあった大きなモミの木に隠れた2人は、モミの葉に守られたことでユダヤ王の魔の手から逃れることができ、無事にキリストを出産しました。
以降、モミの木は「勇者のモミ」として崇められ、モミの実が飾られるようになったと言われています。
最後に・・
日本のクリスマスは、どちらかといえば、宗教的行事よりも商業的なお祭り行事として定着しています。
そのため、近年はクリスマスツリーやオシャレな飾りは100円ショップなどで安く販売され、手軽に自宅でクリスマスツリーを飾ることができるようになりました。
家族や友達、恋人とワイワイしながら飾り付けをしたり、オリジナルの飾りを手作りしたりとクリスマスツリーの楽しみ方は様々あります。
でも、ツリーや飾りの意味、そして由来を考えながら飾り付けをするという楽しみ方もあってもいいのかな?と思います^^
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